ロシアの宇宙開発:遠い惑星の埃の小道に我々の足跡が残される

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半世紀以上前、1957年10月4日、ソビエトの最初の人工衛星が発射され、宇宙開発が始まった。1961年4月12日には宇宙に最初の人間が打ち上げられた。ソビエトの宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリン だ。地球人の前に宇宙の扉が開いた。その後、ロシアの宇宙飛行学は、次から次へと、新たな達成を果たした。

1963年には初の女性飛行士ワレンチナ・テレシコワが宇宙に飛んだ。1965年3月にはアレクセイ・レオーノフ飛行士が初の宇宙遊泳を行った。同年、惑星間自動ステーション「ゾンド3」が、月の裏側を初めて撮影、人類に示して見せた。1966年には惑星間宇宙機器「ヴェネラ3」が金星に金属製の地球儀を届け、またソビエト連邦のシンボルが描かれたペナントが送り込まれた。1970年には世界初の月面探査機ルナホード1が無事月面着陸に成功、1年間にわたり活発に活動した。同年、自動ステーション「ルナ16」が地上に初めて月の土壌サンプルを送り届けた。ついに1971年、世界で初めて、ソビエトの軌道ステーション「サリュート」が、宇宙に打ち上げられた。軌道ステーション「サリュート」の後継はソビエトの宇宙ステーション「ミール」である。モジュール原理で作られた最初のステーションだ。根幹部分が軌道に投入されたのは1986年。その後、これに、さらに6つのモジュールがドッキングした。世界12カ国の104飛行士がこのステーションを訪れた。中にはフランス人、ドイツ人、日本人、米国人もいた。現在のISSの建設もロシアの宇宙モジュール「ザリャー」を軌道に投入することから始まった。のち米国の「スペースシャトル」が営業停した後は、ロシアの有人宇宙船「ソユーズ」および貨物船「プログレス」が事実上、ISSプロジェクトに参加する15カ国全体にとって、宇宙輸送の唯一の手段として残った。

ロシア 月や火星を含む宇宙探査で主導的な地位を目指す - Sputnik 日本
ロシア 月や火星を含む宇宙探査で主導的な地位を目指す
ロシアの宇宙飛行学の成した数々の偉業に敬意を表して、国連総会は2011年、4月12日を人類の宇宙進出を国際的に祝う日として定めた。

ソ連崩壊後は宇宙部門の作業も支出も全てがロシア連邦の肩にかかった。市場経済の建設に最初の、非常に困難な一歩を記そうとしている国家が、いつか独自の宇宙プログラムを開発する力を見出すことが出来るとは、誰も考えることが出来なかった。しかしそのようなプログラムは、それでも採択された。たしかに最初のロシア連邦宇宙プログラム(2006-2015)からは野心的なプログラムは排除された。そこで重要な目標とされたのは、宇宙技術の進歩の世界水準からあまりにも大きな遅れをとらないように、との点だった。今年ロスコスモスが大統領および政府の審査にかけている2016-2025の新宇宙プログラムは全然見え方が違う。新宇宙プログラムがどのようなものになるのか、ロスコスモスのイーゴリ・コマロフ長官は次のように語っている。

「我々は大統領および政府の定めた優先課題を前提にする。最初の方向性は、軌道上に国民産業の振興や経済成長を目的とする宇宙機器団を形成すること。第二が学術研究。第三が国際協力と有人プログラム。この実現に我々は取り組んでいる。それぞれの方向性の間にバランスを保つことは出来ると思っている。通信、ナビゲーション、遠隔測定を担う宇宙機器のグループを飛躍的に成長させることの狙いは、新たな質の地上生活を実現することにある。こうした課題は今日、多くの国で実現されている」

月や火星などの有人プログラムでは、ロシアは協力に前向きである、とコマロフ長官。

「月や火星開発プログラムは膨大な費用と労力が必要とされる。またその実現には多くの年月が要される。NASAもロスコスモスも、技術的には、現時点で既に惑星間飛行プログラムを実現可能である。しかしその実現となると、またその費用を可能な限り低く抑えるとなると、それには国際協力しかない。我々は協力を継続させたい考えでいる。なぜなら、政治状況や原則的問題に関する意見の相違は度外視して、宇宙開発は共同で行うことが、全ての国の利益になると、深く自覚しているからである。いままさに宇宙部門に進出しようとしているような、新たな参加者・参加国も歓迎する。その筆頭はBRICSである」

ロシアの宇宙部門は今日、自前の技術や生産力を基盤に、自力で発展する可能性を、十分に有している。しかし地球人が一致協力して宇宙を開発するほうが、はるかによく、また賢明である。さすれば非常にすみやかに、古い歌の文句ではないが、「遠い惑星の埃をかぶった小道に我々の足跡が残る」ことになる。

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