ベトナムとフィリピンは、合法的な方法で、こうした中国の政策に抗議している。一方米国は、この抗議の高まりを、自分達の利益となるよう非常によく考えて利用している。
ロシアの著名なベトナム問題の専門家で、サンクトペテルブルグ国立大学ホーチミン研究所の所長を務めるウラジーミル・コロトフ氏に話を聞いたー
「米国には、東南アジアの中小国の利益を擁護するつもりなどありません。そんなことはあり得ないことです。彼らは、この地域での自分の立場を強化し、不満を持つ国々をまとめて反中国連合を作るつもりなのです。 不満を利用しながら、米国政府は、そうした国々に米国製の武器を供与するでしょう。中国は、自国の南部国境の部隊の武装をさらに強化し、軍備拡大のエスカレートが始まります。中国が、地域の国々に圧力をかければかけるほど、そうした国々は、米国のさらに大きな支援を求めるでしょう。米国は、かつてソ連をアフガンでの紛争に引き入れたように、中国を地域の小さな紛争に引き入れてゆくに違いありません。
南シナ海での利益をめぐる紛争は、米国の仲介を入れない交渉のテーブルで、穏やかな雰囲気の中、解決されなければなりません。しかし中国は、東南アジアの国々を自分に敵対させる方向に持って行っています。そうしたやり方は、双方にとって何の実りもない物ですが、米国にとっては大変有益です。なぜなら、この重要な地域での、自分達の影響力の強化につながるからです。」