会議では米国が主にイライラを撒き散らし、オバマ大統領のイランへの扱いはパートナーとまでもいかないものの、そう強硬な敵対者ではない。米国はイランに対し直接的に核問題の解決にのぞみながら、それとは全く異なる目的を遂行しようとしている。
米国はイラン市場への早急な回帰を見越しており、イラク、シリア、アフガニスタンなど、地域の重要な問題でイランと政治合意が結べると期待している。
これに対し、イスラエル、サウジアラビアなど多くの国はオバマ米政権がイランに手を伸ばそうとすることに苛立ちを示している。ここで問題となっているのはシーア派が核爆弾を持っているかどうかではなく、制裁の解除。六カ国協議とイランの間の「核の合意」が達成された暁には、これは6月末にも実現することは必至。
制裁体制の解除でイランが政治的、経済的に立場を強化することは明らか。これにイランに敵対する地域リーダー、特にサウジアラビアが憂慮。アラブ諸国はイランは制裁解除後、地域の自国の支援国、つまりサウジアラビアらにとっての敵対国へ支援を開始するものと恐れている。
一方でこの会議では巨大な軍事、経済ポテンシャルをもつアラブ諸国がイランとの対立激化を望んでいないことのみが示された。