「ドンバスは、政治、経済、文化の面で幅広い自治の完全な権利を有している」。ウクライナ南部・東部の状況をテーマとしたドンバスでの国際フォーラム参加者は、口々にそう発言した。
ドネツク人民共和国指導部のメンバー達も、自治について口にしているが、特にデニス・プシリン共和国人民会議副議長は、記者団に対し 、次のように述べたー
「我々は、国益を損なわない最大の自治に賛成である。しかし、もしキエフ当局が今後も、ミンスク合意を踏みにじるのであれば、ドネツク人民共和国は、完全独立の方向に進んで行くだろう。
キエフ当局は、今のところ、ミンスク合意の中に記されている憲法改正に関する我々との協議に出席していない。またキエフ当局は、ミンスクで達成されたドネツク及びルガンスク両州の一部の地区の特別な地位に関する法律採択に関する合意を、なかなか遂行しようとしていない。まして彼らは、停戦と重兵器の撤去及び安全地帯の創設に関する合意の条項を最後まで遂行していない。
ポロシェンコ大統領もチェルニゴフスク州のウクライナ陸上軍部隊訓練センター『デスナー』の軍人と生徒達と会見したとき認めたように、キエフ当局は、ドンバスでの休戦を国の防衛能力そして部隊の再軍備を強化するために利用している。
キエフ当局が、武器援助のもとドンバスを再び自分達のコントロール下に戻したいとの誘惑を捨てきれないことは明らかである。」
一連の専門家らは、キエフ当局が、国の南部・東部地区で5月か、あるいは夏の初めに戦闘行動を再開させる可能性があるとの懸念を表明している。ドネツク人民共和国は「幅広い自治」を求める用意があるとのプシリン人民会議副議長の声明は、新しい戦争を回避する試みであったが、今のところキエフ当局は、和平に向けた心積もりを示していない。