10年前まではSF小説で読むしかなかったようなことが、少しずつ、現実になっている。世界の多くの国で、バイオハッカーたちが同好会を作り、米国および英国では既にラボラトリー、研究所がオープンし、会議が開催されている。Gizmodoが報じた。
Gizmodoはバイオハッキングの成功例・失敗例を膨大に引例している。可愛げのあるものも、自己拷問としか思えないものもある。
たとえば、ガブリエル・リシナさんは、自分の目にクロリンe6を埋め込み、暗いコンタクトレンズをつけ、闇の中でも目が見えるようになった。盲目のリッチ・リー氏は、残された嗅覚器官を強化するべく、自らの耳に磁石を埋め込んだ。今や携帯電話で音楽を聞くにも、イヤホンを必要としない。
これら全てが利他目的や、科学の進歩の加速のための人体「改良」だと考えるのは、あまりにナイーヴである。技術革命集団の一部の実験は我々一人ひとりにとっての潜在的な脅威をなしている。
4月末、フォーブス誌は、NFC機能をもつマイクロチップを掌に移植した米国人技師セト・ワイル氏のことを特集した。チップはAndroidをOSとするスマートフォンが近くにあると、自動的にシグナルを送り、接続を持ちかける。スマフォ所有者が接続に応じると、チップを介して、遠く離れたコンピューターとそのスマフォが接続される。そのコンピューターからは、スマートフォンとその機能、従ってそこに保存された個人情報に、全面的にアクセスすることができる。