きっかけは前日にハワイで起こった事件である。オスプレイがハードランディングで炎上、1人が死亡した。
米国は長期にわたる実験で事故発生率を大幅に低減させた。しかしやはり事故は起こった。戦略技術分析センターの専門家ワシーリイ・カシン氏は次のように語る。
「米国はオスプレイの事故発生率を大幅に低減させた。オスプレイは今やかつての「空飛ぶ棺」ではない。しかし、信頼性の指標において、オスプレイは永遠に、または、少なくとも当分は、普通の飛行機やヘリコプターには及ばない。理由は簡単で、それが技術的に、格段に複雑だからだ。オスプレイの日本配備についてだが、それを望んでいるのは米国側だけではない。日本自ら、10機を購入する意向である。日本はそれを、尖閣諸島周辺での中国との戦闘に、必要としているのだ。有事の際、つまり尖閣に中国人が上陸した際に、警察や軍の部隊を素早く投入するために」
その使途そのものが、オスプレイに対する日本人の懸念を呼んでいる。そう語るのは、「とめよう戦争への道百万人署名運動」事務局員、川添順一氏だ。氏は先日、沖縄の反戦集会に参加した。
「百万人署名運動 の人々は沖縄にきました。3万5000人以上の県民が集まりました。私たちのスローガンは、新たな米軍基地反対でした。なぜなら、アメリカと日本の軍隊が戦争を拡大するためのものですから。オスプレイはとても危険なもですから、オスプレイにも反対です。危険でなくても戦争をやる兵器として使われていくので反対です」
モスクワ国立国際関係大学国際研究所主任研究員アンドレイ・イワノフ氏の見方では、中国が領有権を主張する尖閣諸島でオスプレイを使用すれば、日中間の領土紛争が軍事衝突に発展するリスクが高まるばかりだ。