「韓国指導部は第3国からの圧力、脅迫に負けず、米国および一連の西側諸国の宣言した対露制裁のような、国際法、WTOの規定を侵害する違法な措置をとらなかったことをロシアは高く評価する。」ナルィシキン下院議長はソウル公式訪問で表した声明でこう語った。
ナルィシキン下院議長は韓国大企業のリーダーらとのビジネス・ブレックファストの席で「西側欧州の企業がとった『制裁賛歌』がもたらすものは損失と好機を採り逃す以外、何もない」と語った。朝食の席にはサムスン、LSネットワークス、デリムモーター、ロッテ・グループ、大宇造船海洋、BHIからの代表者らが出席。
ナルィシキン下院議長は、「われわれは、私たちの結びつきが十分に明確かつ高度な自立的価値を持つものであり、様々な外交的要因、まして第3国からの圧力などの拘束を受けるものであってはならないという点に立脚している」と語っている。
ナルィシキン下院議長は朝食の出席者らに対し、ロシアは韓国との政治コンタクトのレベル、回数の拡大を見込んでおり、双方のパートナーらは経済協力の拡大、新プロジェクトの実現に成功するはずだと約した。ナルィシキン氏は韓国をアジア太平洋地域全体におけるロシアの経済パートナーの中では最も将来性が高いと絶賛した。
これについてモスクワ国際関係大学国際調査研究所のアンドレイ・イヴァノフ上級研究員は、韓国にはなんとしても西側の圧力に抵抗し、ロシアとの将来性の高い関係を維持する理由があったとの見方を示し、次のように語っている。
「韓国にとってロシアは単なる隣国、経済パートナーではない。韓国の知識人らはロシアのことを、北朝鮮との関係を軌道にのせるという容易ではないプロセスにおいて好都合なパートナーと見なしている。北朝鮮に対する影響力を持っているのは中国も変わらない。中国は現時点では北朝鮮の主たる経済パートナーであり、北朝鮮との互助合意を持つ国として、北朝鮮にとっては事実上、安全保障のギャランティーとなる唯一の国だ。だが、韓国内では中国がこの北朝鮮に対する影響力を自国の国益のために使うのではないかという危惧感がある。」
ロシアは、朝鮮統一は朝鮮半島に暮らす民族だけの問題であり、このプロセスに干渉するつもりはないことを十分明確に示した。イヴァノフ氏は、これが功を奏し、韓国はロシアへの信用を高め、南北朝鮮間和平プロセスにおける仲介者となりうると捉えるまでにいたったとの見方を示している。