欧米はマケドニアにおいて、ウクライナで上首尾にいったシナリオを実現しようとしている。ウクライナでは2014年2月、合法的に選ばれた大統領であるヴィクトル・ヤヌコヴィチ氏が、ウクライナを債務奴隷にするようなEUとのパートナーシップ合意への調印を延期させたために、追い落とされた。
いま、グルエフスキイ首相が退陣を求められている。非難の一部は、首相が「バルカン半島における影響力を取り戻そうと画策している」ロシアとの協調政策をとっていることに向けられている。そう語るのはロシア科学アカデミースラヴ研究所の政治学者ゲオルギイ・エンゲルガルト氏だ。
「西側メディアでは、ロシアはバルカン半島における影響力を拡大しようとしている、との非難が度重なり行われている。つまり、この地域で、ロシアに対してより強硬な政策を取らせるべく、世論を形成しようとの動きがあるのだ。何も、ロシアが何かマケドニアにものすごい影響力を持っているということではないのだ。ただ、マケドニアという、農産品輸出に過度に依存した国が、ロシア市場を失わないために、制裁に加わらなかっただけなのだ。果たしてマケドニアはロシア市場を失わずに済んだ。二つ目のポイントは、結果的にマケドニアが、「トルコ・ストリーム」の潜在的な回廊となる、ということである。米国やEUが「サウス・ストリーム」阻止のために途方もない圧力をかけたことを、われわれは知っている。いま彼らは、マケドニアのトランジットという選択肢を排除するべく、それによってロシアをバルカンから経済的に締め出すべく、画策している」
しかし、グルエフスキイ反対派に続いて、グルエフスキイ支持派が通りへ繰り出した。彼らは決して降伏することはない。