まず、「アルマタ」は戦車ではなく、装甲プラットフォームである。それを基礎に、10種類以上の車両が造られる予定である。戦闘車T-14のほかに、同じプラットフォームをもとに、自走射撃装置のための車台や、地対空防衛装置を造ることが出来るようになる。T-14は全面的にソビエト崩壊後に造られたロシアで最初の兵器である。開発にはわずか6年しかかからなかった。装甲や砲塔など一部の基幹部分はゼロからの開発だった。
T-14型戦車「アルマタ」は完全に無人・自動の砲塔を搭載している。技術的にはこの点が最も革新的な部分だろう。乗員は隔離された装甲カプセルの中にいればよくなり、より安全になる。
ロシア国防省によれば、乗員が車体全体に設置された計器やHDカメラで操作する次世代砲塔によって、「アルマタ」はやがて、初の無人戦車になる可能性がある。「アルマタ」は将来的に、152mm口径の大砲を搭載することになる。その砲塔から、ドミートリイ・ロゴジン副首相の言葉を借りれば、「厚さ1mの鋼鉄を貫通する」強力な弾丸が発せられることになる。
「アルマタ」搭載の防護装置「アフガニト」は弾薬を捕捉し自動的に迎撃するレーダーを採用している。その正確なパラメーターは不明であるが、消息筋によれば、米国のヘリコプター「アパッチ」から発射されたミサイルも阻止することが出来るものであるということだ。
「アルマタ」は西側の戦車の大半より軽い。時速は90kmまで高められる。つまり、米国のアブラムスM1A2より20kmも速い。
「アルマタ」は量産化されていないが、価格は4億ルーブル、現在の交換レートで800万ドルとの見積もりが出されている。フランスのAMX Leclercや米国の主力戦車アブラムスM1A2より安い。さらに、韓国のK2ブラックパンサーや日本のType 10などの次世代輸送手段より廉価である。
ロシアは「アルマタ」を、年間500ユニット、総計2300ユニット製造する計画である。ロシア製武器の最大の輸入者であるインドが最初の購入者となると見られる。