外国ビジネスにロシア極東は「ブルー・オーシャン」

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5月19-20日、シンガポールで初のロシア・アジア・エネルギー・サミットが開催されている。これにはロシアとアジア諸国のエネルギー大企業、政界、実業界の代表らが参加し、協力の可能性を話し合った。サミットの組織側にはロシアの極東開発省も入っている。

ロシアがアジアのエネルギー分野に与えることができるものはなんだろうか? アジア企業にとってロシアと手を組む旨みはどれくらいのものだろう? ロシア極東の発展にとって、エネルギー分野でのアジアとの協力というベクトルの重要度は? これについてラジオ「スプートニク」はロシア極東開発省。直接投資誘致、輸出および貿易活動支援課のイヴァン・トンキフ課長にインタビューを試みた。

トンキフ課長は、ロシアにとってアジア諸国とのエネルギー協力で最重要な方向性は炭化水素燃料、電力、炭化水素の加工製品の輸出だとして、次のように語っている。

「第1の方向性で最大のプロジェクトは東シベリア-太平洋パイプラインによる石油の輸出で、これには極東の港からアジア米国向けに石油を輸出する一連の企業が参加している。2年後、巨大ガスパイプライン「シーラ・シビーリ(シベリアの力)」の敷設は終了する計画で、これを通り、シベリア産ガスはアジア太平洋諸国へと運ばれる。

第2の方向性の巨大プロジェクトは現在、検討中だが、これは『ルスギドロ』社、『インターRAO』社によるロシア極東から中国への電力供給と、『大アジアリング』プロジェクトで、これは電力を朝鮮半島、日本へと送るものだ。すでにメモランダムは調印されており、極東から北朝鮮のラソン自由経済ゾーンへの電力供給についてプロジェクト予算書類が準備中だ。

このほか政府間委員会の枠内で『ルスギドロ』社他、エネルギー市場のプレーヤーによる北朝鮮を通って韓国に電力を供給する件が検討されている。」

最重要な方向性は炭化水素の加工だ。その一例として、トンキフ氏は、東石油化学企業、炭化水素製品の加工を行なう巨大クラスターの創設プロジェクトをひき、さらに次のように語っている。

「極東領域には、炭化水素の採掘およびその加工を行うビジネス拡大のために好適な条件が作られている。これが最先端発展領域(TOR)のツールだ。行政バリアを取り除き、資源採掘税を収益税を最小限に抑えることで、我々は外国投資を刺激している。

メモランダムも調印され、ハバロフスク地方の初の最先端発展領域でデンマーク・中国合弁企業Baoli Bitumina Singaporeとの投資合意が準備中だ。「ハバロフスク」最先端発展領域にはビチューメンを主に使った化合物、製品の生産を行なうハイテク工場が建てられる。これは道路の鉄道の敷設、橋やプラントの防水に使うものだ。また工場では湿気を防ぐ屋根ふきの材料生産も行なわれる。工場生産物はロシア国内市場に供給されるほか、中国、日本などアジア太平洋地域諸国に輸出される。」

トンキフ氏は、炭化水素資源の採掘および加工は極東の複合的発展に役に立つと指摘する。これに投資された資金はその1ルーブル、1ルーブルがインフラ創設から教育まで様々な経済セクターで利潤を生み出す。極東は外国からの数億ドル規模の投資を取り込んで行く構えだ。外国企業にとって天然資源の宝庫であるロシア極東は事実上、競争相手の誰もいない「ブルー・オーシャン」なのである。

 

 

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