リガで木曜、2日間の「東方パートナーシップ」サミットが始まる。「東方パートナーシップ」プログラムはEUとアゼルバイジャン、アルメニア、ベラルーシ、グルジア、モルドバ、ウクライナの政治的連繋と経済的統合を目指すもの。
EUが「東方パートナーシップ」を創ったのは、旧ソ連諸共和国に対するロシアの影響を阻害し、同時に、EU加盟については極めて不透明な展望をプログラム参加者に与えることを目論んでのことだった。ウクライナ東部紛争へのロシアの介入によってEUの計略は完全に破綻した。しかも、6共和国のうち2か国(ベラルーシ、アルメニア)までが、EUのライバルたるユーラシア経済連盟に加盟した。欧州がそのエネルギー資源を一用とするアゼルバイジャンも、プログラムへの関心を失っている。アゼルバイジャンのイリハム・アリエフ大統領はサミットに参加しない。
「東方パートナーシップ」プログラムをより積極的に推進するのか、野望を捨てるのか。いまこそ決断のときだが、EU内の意見は割れている。リガ・サミット開催を前に、欧州の公人たちは、以前と同様「東方パートナーシップ」という理念に忠実である、と誓ってみせたが、彼らの発言は、「欧州はロシアをからかう積りはない」ということを言外に示している。EU内ではかつてより遥かにロシアに対して非好戦的な気運が広まり始めている。以上ガーディアン紙。