韓国のツォイ・チョンムン・ユネスコ大使は、同日、日本外務省に、その外見から一般に「軍艦島」と呼ばれている長崎県の端島(ハシマ)に関する韓国政府の立場を伝えた。この島には、かつて海底炭鉱の基地があり、多くの労働者が住み、彼らの生活のための施設が整備され島全体が人工的に作られた一つの町のような存在だったが、今は無人島で、長い間荒れるにまかされてきた。現在は「廃墟ブーム」もあり、船で多数の観光客が訪れている。
ツォイ大使は、日本外務省での3時間に及ぶ交渉の後、記者団に対し「我々の立場は、韓国人の感情の上に立ったものだ」とし「端島では強制的に徴用された朝鮮人が働かされていたと、ユネスコの文書の中で言及されるべきだ」と主張した。
また大使は「1940年代の朝鮮人の強制徴用は、我々にとって、原則的な問題であり、ここにおいて譲歩はあり得ない。歴史を記憶しておく必要がある」と強調した。
なお大使は「問題は、日本側から誠意が示されるならば、解決されるだろう」とも指摘した。
端島での強制徴用の際、韓国政府の資料では、94人の朝鮮人が亡くなっている。
世界遺産認定に関するユネスコの最終決定は、6月28日から7月8日までドイツのボンで開かれる第39回世界遺産委員会で下される。