プーケット島に存在する米国の限定兵力は、演習「Guardian Sea」に参加したもので、同演習は20日に終了しているが、米当局は再三にわたり,タイ軍に対し、プーケット空港にロヒンギャ人の「ボートピープル」救助作戦を実施する基地を置かせてほしいと頼んできた。ロヒンギャ人は、ミャンマーに住むイスラム系住民で、迫害を受けミャンマーから逃れることを余儀なくされている。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所のタイ問題の専門家エレーナ・フォミチョワ氏は「プーケットに基地を置くのを許さなかったのは、米国の側から強まる圧力に対するタイ政府の拒否反応だ」と見ているー
「これは、タイの将軍達が、自分達こそがこの国の主人であると主張する一つの方法なのです。タイに軍事政権が誕生してから、米国は、選挙の実施や民主化などを要求し圧力をかけ始めました。そしてその後、ロヒンギャ人を不法に運んでいるとの非難が現れました。
タイの将軍達はすでに、米国はタイの内政に干渉していると反発しました。プーケットの基地は、全く余計なものです。タイと米国は、長い軍事協力関係を持ち、米国人達は毎年、タイでいくつかの演習を行っています。その中でも一番大きいのが「コブラ・ゴールド」で、これには他の国々も参加しています。とはいえ米国にとって、プーケット空港はかなりの意味を持っています。プーケット島は、中東からアジア太平洋諸国に原油や天然ガスを運ぶ戦略的に重要な輸送ルート上にあるからです。
又中国に対抗するという広いコンテキストにおいては、米国人にとってプーケット島の自国軍隊のプレゼンスは、大変重要なことです。タイ側は、今回の拒絶によって、伝統的な同盟国である米国に対し、内政への干渉と圧力が強まっていることに対する不満を示しているのだと思います。」