新戦略の顕著な特徴は、その政策がアジアで懸念を呼んでいる中国、米国、日本の主な反対派を明確にしていることだ。戦略では、ある種の「反中勢力」が、中国で「カラー革命」を起こす計画について直接述べられている。発表された戦略は、中国と米国そしてその同盟国間の深刻な根本的矛盾を物語っている。
「国防白書」は、中国海軍が使用する地理的、政治的枠組みの大幅な拡大についても物語っており、世界の海洋における自国の海洋利益の保護に関する中国海軍の任務がさらに高まることを指摘している。
また中国は、空軍、砲兵隊、陸軍の攻撃能力拡大計画を隠そうとはしていない。初めて、ミサイル防衛システムの構築計画や、早期警戒システムの発展について述べられている。
発表された戦略は、宇宙やサイバー空間などの分野を含む中国の安全保障に対する新たな挑戦に対応している。
なお「国防白書」では、必要最低限の水準での核戦力維持、核兵器の専制不使用、また非核国に対して核兵器を使用しないとう従来のテーゼが繰り返されている。
中国の新たな軍事戦略は、国際問題を解決する上で、中国が指導的役割を担うことのできる、完全なる偉大な世界の大国になることを目指していることを物語っている。