この日を学会開催日としたのはわけがあった。今から20年前、1995年のこの日、サハリン州は大地震の悲劇に見舞われた。地震によってネフチェゴルスク村は破壊され、2000人を超える死者が出た。地震後、ネフチェゴルスクは復興されることはなく、村のあった場所には災害を記憶する碑が建てられた。
ネフチェゴルスクの地震は、住民の耐震安全性を確保するためには他国の研究者、専門家らと力を合わせ、経験を交換することが欠かせないことを如実に示した。
学会では、極東地域全体にとって 逼迫する自然災害問題、そのリスク評価のメソッド、建築中の建物、またすでに建て終わった建物の安全工学の問題が議題に取り上げられた。
こうした問題の重要性はロシアにとっても、また2011年3月の大震災で多大な犠牲を払った日本にとっても変わらない。