元大学講師ウィッキー・ブラウン氏(61)は2006年、恐ろしい診断を受けた。皮膚がんが肺や胸に転移している、というのだ。2013年、医師はブラウン氏の余命を数ヶ月と宣告した。同氏は新しい治療法を受けることに同意した。数週間後には腫瘍は跡形もなく消えていた。のちにがんは戻ってきたが、免疫療法で再び撃退できた。現在ブラウン氏は三度、がんに苦しめられているが、医師は同じ方法を使う計画である。
ピーター・ジョンソン博士によれば、がん治療の新時代が幕を開けた。「多くのケースで効果が長期間持続し、一部の患者については病原が完全に消滅するように期待している」と博士。
がん細胞は自らを防護し、化学療法やその他医薬品を無効化してしまう。免疫療法では、このがん細胞を患者の身体自身が攻撃する。
英国の患者950人を対象に行ったある実験では、腫瘍の6割が減少し、もしくは抑制された。
ロンドンのマースデン王立病院で顧問を務めるジェイムス・ラーキン氏は次のように述べている。「薬の使用については慎重でなければならないが、ここでは一部の患者が皮膚がんを克服し、普通の生活に復帰している」。