検査の際、「テロリスト」に扮する特務機関員らには、空港職員らにより現在行われているセキュリティーチェックや荷物検査を、ダミーの武器や爆発物を隠し持ち通りぬける、との課題が与えられた。ロイター通信によれば、70件のうち67件がこの「通り抜け」に成功したという。
ここで指摘しておきたいのは、この検査結果が、特に驚くべきものと見えるのは「米国内の空港の安全は高いレベルで保障されている」との声明を背景に判明したものだったからだ。公式サイトによれば、米運輸保安局,(TSA)は、安全のレベルを20の段階に規定している。これは、標準的な乗客のレントゲン透視検査や、駅及び空港での不審な乗客の監視をする特別に訓練された職員の活動ぶりも関係するものだ。
今から5年前に導入された規則により、すべての乗客は、完全な電子スキャニング手続きをパスしなければならなくなったが、この措置は、市民活動家の大きな怒りを呼び起こし、彼らは「我々乗客にバーチャル・ストリップを強制するのか」と言って当局を非難した。しかし「安全が何よりも優先する」として導入が決められたいきさつがある。そうした事から、国土安全保障省のジョンソン長官は、TSAを批判し「今回の抜き打ち検査の結果を大変深刻に受け止めている」と述べた。
多くの国々の当局及び保安機関にとって、空の旅の安全をいかに保障するかという問題が主要な課題となったのは、2006年にテロリストらのたくらみが明らかになった後のことである。
2006年8月10日、英国当局は、イスラム過激派が太平洋上空を行き来する航空機7機から20機を清涼飲料水が入ったボトルに隠した爆発物を使って墜落させようと計画していた、と発表した。
米国は毎年 交通安全に75億ドル以上を支出。