同雑誌は「米国経済にとってそれが重要な場合は、西側の超大国である米国は、新たなロシアとの冷戦の中で、制裁も一休みする」と指摘した。
以下雑誌Spiegelの報道を元に、お伝えする。
米テキサス州の企業、ヘリコプター・メーカーのBellは、エカテリンブルグの企業ウラル民間航空工場と契約した。このロシアの企業は、プーチン大統領の信任が厚いセルゲイ・チェミェゾフ氏が率いる「ロステック」社の傘下にある。チェレゾフ氏と彼の会社は、米国が作成した制裁リストに入っている。しかしBell社は、そんなこと全く心配していないようである。
モスクワの欧州ビジネス協会のフランク・シャウフ会長は「米国は、欧州に強い圧力をかけ、厳しい制裁を求めている。その一方で彼らは、昨年ロシアとの貿易高を増やした」と指摘した。
雑誌Spiegelは、米国とロシアの間のほかの契約についても言及している。例えば昨年、航空機製造メーカーのボーイング社とロシアのチタン・メーカーであるアヴィスマ社は、相互の協力契約を2022年まで延長したし、今年1月には、ロシアのエネルゴマシ社は、米国の宇宙機器・運搬用ロケット製造企業Orbital Sciences社と、Antaresロケット用のエンジン60基製造に関する契約を結んだ。
一方、ドイツの大企業はどうかというと、現在「二重の圧力」の下に置かれている。彼らは一方でEUの制裁と戦いながら、他方でロシアの政策の転換、東方重視策にさらされている。
特にSiemens社のスポークスマンは、雑誌Spiegelの取材に対し「ロシアと中国の間で結ばれた、モスクワとカザン(ロシア連邦タタールスタン共和国の行政の中心地)を結ぶ高速鉄道建設に関する契約は、ウクライナ危機前は、Siemens社が受注する可能性があった。今やそれを望むのは、夢物語となった」と述べている。