ロシアの軍事専門家らはこの意見に同調しない。今回の合意に規定された米国製武器の供給量は、ベトナム・ロシア二国間関係の根幹をなす包括的かつ戦略的パートナーシップとは比べるべくもない。現時点でベトナムが軍事製品の9割をロシアから輸入していることは米紙も認めるところだ。
ベトナムは実に様々な装備品をロシアから調達している。高い隠密性を誇る潜水艦、威力や機動性でソビエト時代のMiGiを上回るSU戦闘機、最新式地対空ミサイル複合体Tor、Buk、S-300、沿岸発射式ミサイル複合体バスチオン。
この最後のバスチオンは、1ユニットで600kmにわたり沿岸を防御し、最大20万平方kmの水域を守ることが出来る。これに有効に対処できる装備は世界のいずれの海軍にもない。また、ベトナムの海上の国境には既に最大時速56kmのロシア製哨戒艦スヴェトリャクが2隻、水上・水面下・上空の標的を捕捉・撃滅可能なロシア製哨戒艦ゲパルドが2隻、配備されている。
ベトナム人民軍のヌグエン・クハク・ヌグエト大佐はスプートニクのインタビューに対し、ロシア製兵器のメリットを次のように語っている。
「ロシアは軍事技術協力分野における我々の基幹的パートナーであり、最も安心な、信頼のおけるパートナーである。ロシア製兵器はベトナムの軍事戦略にぴったり合う。そして扱いやすく、動作が安定し、西側製品より火力が高い。万一の場合にも、わが国の軍人が自分で修理できる。また重要なのは、ロシア製品の方が西側製品より安いこと。こうした次第で、わが国は、世界のどの国から武器を買うことも出来るなかで、今後もロシア製品がメインの武器になる」
ロシアの軍事専門家らはベトナムの軍事当局に対し、米国から武器を買い、それを受け取る際には、よく注意を凝らすよう呼びかけている。米国は最近、たとえばウクライナに対して、しばしば欠陥製品を納品している。