コスタリカは、6月11、12日両日にブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)とラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)の首脳会議で、運河の建設方法が違法だとしてニカラグアを非難する方針。コスタリカのソリス大統領は、首脳会議の議題に同問題を含めることに成功しただけでなく、フランスとドイツの各首脳との会談で、双方から支持も取り付ける意向。コスタリカ側は、運河の建設が環境破壊につながると主張している。ロシア国立人道大学のミハイル・ベリャト教授は、次のような見方を示している。
「運河を所有する国が、地域で影響力を持つため、現在ふたたび運河をめぐって起こっていることは、経済や環境というよりは、むしろ政治と関係している。運河を建設したのがフランスだったとしても、同じことが起こっていたはずだ。ただフランスは、米国に対抗する勇気がなかっただけだ。もちろんスキャンダルは、現在ラテンアメリカ諸国との関係を積極的に発展させている中国に対して向けられたものだ。これは中国のプロジェクトで、中国が運河を建設し、費用も中国が負担する。そのため中国が影響力を持つのは明らかだ。しかし米国は、米国の経済成長の速度をすでに上回り、世界第一の経済大国になりつつある国の影響力が近くに存在することを望んでいない。中国の影響力が増大するのを防ごうとする米国の願望は、十分に理解できる」。