ロシアへの入国が禁止されたEU市民のリストが決められたのは、もう昨年の事で、これはEU側が同様のブラックリストを発表した事に対する、まさにシンメトリックな措置だった。すでにロシア外務省が説明したように、入国禁止者リストに含まれた89人は、2014年2月にウクライナで起きた国家クーデターを積極的に支持した人達で、まさにそれが「選ばれる」主な基準となった。このブラックリストは、ロシア政府が、EUのいくつかの国々の外交代表部に、彼らの要請に従って機密文書として渡された。
しかしその後、この機密文書の中身が、西側の一連のマスコミにより公表された。ロシア議会上院・連邦会議のワレンチナ・マトヴィエンコ議長は「EU市民に対するブラックリストの導入は、ロシア側からしてみれば、自分達にされた事を同じように相手側にしただけで、外交的にはよくある事だ」と述べている。
またロシア外務省情報・マスコミ局のマリア・ザハロワ副局長は、EUの今回の措置について、次のようにコメントしたー
「まるで異端審問の時代に、EUの官僚達が一部逆戻りしたような印象だ。ロシアの魔女狩りが宣言されたのだ。今後どうなるだろうか? ロシアの外交官達に対し、裁判官らは、ブリュッセルでの火あぶり判決を下すのだろうか?なぜロシアの駐EU大使の議場への入場が許されないのか、そうした行為の本質はどこにあるのか、EU議会に対し、そうした疑問が残る。何らかの論理的説明がなされるべきである。」