中国を抑え込むために日本をさらに積極的に利用する米国とフィリピン

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米国は、南シナ海における同盟国の軍事的活動を奨励して、同海域の緊張を維持する方針だ。米国は7月、南シナ海で毎年行っているオーストラリアとの軍事演習を行う。同演習には、ニュージーランド軍と日本の自衛隊も初めて参加する。

演習は、南沙諸島(スプラトリー諸島)と西沙諸島(パラセル諸島)をめぐって中国、フィリピン、ベトナムの対立がエスカレートしている中で実施される。これらの国々は、諸島の軍事インフラを向上させており、特に中国は成果をあげている。なお米国は、係争海域における中国の活動の高まりに対する軍事行動の可能性を排除していない米国カナダ研究所のパーヴェル・ゾロタリョフ副所長は、これは同海域の情勢を緊迫化するだけだと指摘し、そのため演習は、中国に対する強い軍事・政治的圧力の要素とみなされる、との考えを表し、次のように語っている。

「もちろん米国はまず中国に対してデモンストレーションしている。米国と地域の他の国々は、論争問題に関する粘り強く断固とした中国の政策に対して、力を合わせて対抗できると示している。なおそれらの国々は、十分に影響力を持っている。演習という形による、あらゆる軍事政策や示威行為は、米国のアジア回帰政策を支援することを目的としたものであり、中国との利害衝突は避けられない。」

これらの毎年開かれている演習に日本が「デビュー」することは、専門家社会の大きな反応を呼んだ。日本は、東シナ海における中国との激しい領有権争いに巻き込まれた。日本の演習への参加は、この争いで日本が米国の支援を当てにしていることを中国に示している。米国の同盟国は南シナ海で常に米国を当てにすることができる。社会政治研究センターのウラジーミル・エフセエフ所長は、日本は結果的に、中国を抑え込むための米国の有効な手段に様変わりしているとの見方を表し、次のように語っている。

「中国ではこのような行動が、中国へ圧力を加えようとする挑発行為とみなされるだろう。恐らく中国は、南シナ海に艦船や航空機を集結させて、独自の軍事ポテンシャルを増強するかたちでこたえるだろう。なお、これらの演習に日本が参加することは、地域の軍事大国として日本が復活することを米国が認めているとのシグナルを中国に与えることになる。このような活動は、アジア太平洋地域全体で大きな警戒心を持って受け取られる可能性がある。これは恐らく、日本を抑え込むことを目的とした、様々な国の軍事協力の深化を誘発するだろう。その結果として、地域の緊張が高まると思われる。」

米国だけでなく、フィリピンなどの米国の同盟国も、地域で中国を抑え込むための要素として、さらに積極的に日本を利用しようとしている。フィリピンのアキノ大統領が、日本に中国を抑えるよう呼びかけたのも偶然ではない。

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