ドイツメディアは4月半ば、「NSAはフランスやオーストリアの政治家、また欧州の大企業に対し、ドイツ連邦情報局を利用して諜報を行っていた」と報じ、スキャンダルを巻き起こした。
連邦情報局の活動を調査する政府委員会はドイツ政府に対し、米国の諜報活動のターゲットを網羅したリストを提出するよう求めた。
しかしメルケル首相はこの問題について沈黙を守っている。火曜夕方、出演したラジオ番組で、首相は、「ドイツの秘密の開示についていま米国と協議を行っている。それが済んではじめて決定をとることが出来る」と述べた。
一方ではFIFAの汚職への捜査が続けられている。捜査のきっかけを作ったのは米国である、と多くの専門家は見ている。つまり、米国が、自国民ならびに欧州市民に対して行っていた諜報活動に関するスキャンダルから世間の関心をそらす目的で、FIFAのスキャンダルを焚き付けた、というのである。