パク大統領のこの発言は、南北間の協力のための条件整備におけるロシアの役割の重大さを認めたものとして見ることが出来る、とチョナム大学のキム・ヨンスル教授。
「今年、韓国とロシアの外交関係樹立から、25年がたつ。パク大統領は自らの発言によって、韓国の重要外交相手としてのロシアの意義を強調した。ロシアは朝鮮半島の安定を維持し、南北の平和統合を成し遂げるために、重要な役割を演じている。韓国がロシアとの関係を重視している証拠に、韓国は、米国の圧力にも関わらず、対ロ制裁を支持しなかった。一方で、アジアにおけるもうひとつの米国の同盟相手である日本は、対ロ制裁支持に回った」
ワシントンポストによるパク大統領へのインタビューでは、米国の地対空ミサイル複合体「サッド」を韓国に配備する計画についても触れられている。大統領は、この問題は様々なファクターを考慮に入れつつ検討している、と答えた。ロシアの大反対も、そのファクターのひとつとなっているだろう。
韓国はまた、南北両朝鮮に関わるロシアの大型インフラプロジェクトの実現を重視している。それは具体的には、南北縦断鉄道のシベリア鉄道への接合であり、北朝鮮経由韓国向けガスパイプラインの敷設とそれによるロシア産ガスの供給であり、北朝鮮経由韓国向け送電線の敷設とそれによるロシア産電力の供給である。国際問題担当朝鮮評議会議長チョン・テイク氏は、これらプロジェクトは極めつけに重要である、と語る。
「3者間の経済協力プロジェクトで地域経済は確実に発展する。ロシアにとっては極東およびシベリアの開発であり、韓国にとっては北朝鮮の開発であり、かつまた、南北の平和統一への土壌を準備することである」