ロシアのリャプコフ外務次官は、BRICSの新銀行の活動に、ギリシャのほか、アジア、ラテンアメリカ、アフリカ諸国が関心を表していると伝えた。同時に、米国が意識的に、BRICS全体、ならびにBRICS新銀行を妨害するための政治路線を持っているのは明らかだ。リャプコフ外務次官は、米国、そして恐らく欧州連合(EU)も、このようなイニシアチブに嫉妬心を抱かずにはいられないだろうとの見方を示している。
以下、リャプコフ次官の見解をご紹介しよう。
米国やEUは、BRICSのイニシアチブの中に、世界的な金融·経済構造におけるブレトンウッズ体制創設の父の影響力を客観的に低下させるプロセスが反映されているのをみている。私は、BRICS銀行の形成と、その運営が実際に開始されるに従って、BRICSに対する批判が強まると考えている。あらゆる分野で競争を歓迎する声明が表されているが、我々は、金融経済的テコ原理に対する「西側の歴史的な独占」を維持する動きに直面している。しかし世界は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、欧州復興開発銀行などが創設されたあと、劇的に変化した。これらの機関の指導的地位はずいぶん前にすでに失われている。IMFや世界銀行をはじめとしたこれらの機関は、改革を必要としている。私たちはこれについてただ語るだけでなく、この方向性でBRICの仲間たちと共同で活動し、この作業を続けている。しかし重要なのは、例えば、アジアインフラ投資銀行など、中国でこの分野に関する新たな機関が非常にたくさん設立されているなど、一連の現象が起こっていることだ。その一つとして、BRICSの新銀行の設立や、世界のたくさんの地域で地域開発銀行が設立されていることなどを挙げることができる。私は、先進国と新興国間における金融·経済分野での多様化と、より公平かつ公正な影響力の分配プロセスが拡大し、活発化すると確信している。そこには、ロシアも参加する。私たちは、政治的観点から見て、これが重要であると考え、もちろん、この活動を支持している。