サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムには、日本からも代表団が参加している。また鳩山由紀夫元首相も演説する予定だ。サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム組織委員会のコビャコフ副委員長は、鳩山氏を、ノーベル経済学賞の受賞者クリストファー・ピサリデス氏と並んで、今回のフォーラムで最も興味深い演者の1人だと述べた。
鳩山由紀夫事務所の芳賀大輔(ハガ・ダイスケ)所長は、ラジオ「スプートニク」の独占インタビューで、鳩山氏の演説のテーマは移民政策だと述べ、次のように語ってくださった。
― 世界は移民の歴史などが違います。戦争によって難民が増えてそれを受け入れるということで、その国の中の秩序など、いろいろな問題が起きていますが、日本は御承知のように、超少子高齢化で、お年寄りがとても多いですから、働く人口が極端に少なくて、外国人がたくさん入って労働力を確保しないと国が成り立たないという状況の中で、そのような日本の特殊な仕組みをお話しようと思っています。
「スプートニク」:演説では、ロシアの労働市場についても評価されますか?主に日本の状況についてだけお話されますか?
- 与えられた時間が10分しかないので、まず日本の話をして時間はリミットだと思いますが、聞かれれば、ロシアでも移民の問題が起きていることは聞いていますし、また鳩山は東アジア共同体という構想を持っていて、中国や韓国、ASEANも中心にいろんな国が、いろんな文化とか、いろんな形で共同体をつくったほうがいいのではないか、どこかに移民してその問題が起きるのではなく、みんなで一つの友愛という理念を中心に、国を共有していこうという考え方を持っていますので、そういう話もできれば有難いと思っています。
「スプートニク」:鳩山氏は1年間の経済制裁の状況の中で、日露経済関係の発展をどのように評価していますか?
― EUがロシアに対する経済制裁を6ヶ月また延ばしたというニュースを聞いて非常に残念に思っています。日本がEUなどに追随して一緒に経済制裁を行っているのは、全く間違いだと思います。なぜならば、日本とロシアの関係は別であって、欧米の方が逆に経済制裁によって被るロスもありますが、いままで日本が経済制裁をすることによって、日本のロスはあまりないと言われていたのですが、現実に今月ロシアの下院で、200カイリ内のサケとかマスとかの流し網漁を2016年から禁止する法案を可決しました。ロシアのサハリン州などでも、このような地域経済の問題が出ており、これが必ずしも日本の経済制裁に対してのロシアからの反対かは分かりませんが、もしこのサケ・マス流し網が禁止されることになると、日本にとっては死活的な大変な影響が出ます。それから北方領土ビザなし交流が行われていますが、これも若干いまロシア側から許可が下りなかったり、いろんな問題が出ています。これはやはり経済制裁の大きな影響が出ていると思います。ですから日本は、一日も早く経済制裁を止めて、北方領土もありますけれども、正しい日露関係をもう1回構築するために、欧米とか米国とは違う政策をとるべきだと思っています。
アンナー・オラーロバ、アンドレイ・イワノフ