ラジオ「スプートニク」を傘下に持つMIA「ロシア・セヴォードニャ」のパリおよびブリュッセル支部の口座が凍結された。しかし、一部報道に反して、支部の建物は差し押さえられていない。建物はMIA「ロシア・セヴォードニャ」の資産ではなく、賃貸しているだけだ。フランスおよびベルギーにおける記者活動は平常通り続けられている。
在外ロシア資産の差し押さえはロシアのメディアにも及んでいる。リア・ノーヴォスチによれば、この問題について現在対応がとられているが、詳細は不明だという。
スプートニクの取材に対し、フランス人エコノミストで、高等社会学院および工業化研究所CEMI-EHESS代表、ジャック・サピル氏は次のように語った。
「ロシア資産凍結、とりわけロシア・セヴォードニャの資産凍結は、政治的性格のものである。それが他ならぬ今日、しかもメディアの支部に対し、ペテルブルグフォーラムの開幕の日になされたということ自体が、この措置の政治的性格を示している」。
フランス政府は絶えず、ロシアメディアのあまりにも大きな成功に、苦言を呈している。直接にではなくても、そう示唆している。しかしフランス政府自身、フランスのメディア(France-télévision、France-24、et indirectement TV5)に直接財政支援を行っている。また、EU予算への負担金によって、欧州のテレビ局にも財政支援を行っているのである。
「この事実を考慮するなら、我々は、フランス国内で外国がプロパガンダに従事していると言って、外国を非難することは出来ない。我々自身が同じことをしているのだから」とサピル氏。
サピル氏は語る。国内に外国メディアが入り、活動すること、思想の多様性、議論、それらは民主主義と多元主義には欠かせないことである。
「メディアを攻撃することは民主主義を壊滅させることだと思う」とサピル氏。
なお、ロシアの通信社の外国支部の資産は、ユコス元株主が徴収しようとしている金額と比べ、はるかに小規模である。現在のところ、メディアの口座凍結は、在外ロシア資産差し押さえの最初にして唯一の実例となっている。