欧米を「お払い箱」にして、ユーラシア統合を目指す露中

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世界の経済、政治情勢は、ユーラシア統合構想にチャンスを与えている。一方で、西側はこのプロセスの枠外におり、この「牽引役」を中国とロシアが担った。英国の上院議員で経済学者のロバート・スキデルスキー氏は、ガーディアン紙に掲載された論文の中で、このような見解を表している。

スキデルスキー氏は、2008-2009年の金融危機と、中東の政治的大惨事は、西側の傲慢さに打撃を与え、米国は、ロシアと中国を共通の国際システムに統合する機会を逃し、これによってロシアと中国という2つの大国を接近させた、との見方を示している。

中国は、輸出や投資の流れをユーラシアへ方向転換させて、新たな市場を獲得しようとしており、ロシアは、中国を成長するエネルギー市場とみなしている。その他にもスキデルスキー氏は、ロシアが大規模な輸送および建設プロジェクトへ参加することは、ロシアの「産業力や工学力」の復活に役立つだろうと指摘している。

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ロシアと中国の利益は、ユーラシアの統合で一致した。東欧のベラルーシ、地理的にアジアに位置し、ユーラシア大陸を横断するロシア、そして事実上、ユーラシア大陸を横断するアルメニアや、アジアのカザフスタン、キルギスなどの複数の旧ソ連諸国は、すでにユーラシア経済連合という形で一つになった。中国とロシアの首脳は今年5月、ユーラシア連合と中国の新たな「シルクロード」プロジェクトを「ドッキング」させる決定を発表した。新「シルクロード」プロジェクトは、中国と、欧州、中近東、そしてアフリカの国々を結ぶ予定だ。同プロジェクトでは主に、太平洋からバルト海への輸送ネットワークが構築され、貿易·投資障壁が削減され、各国通貨による取引システムなどが拡大される見込み。最終的に、中国とユーラシア経済連合の加盟国、中近東、欧州、アフリカを結ぶ巨大な自由貿易圏ができる可能性がある。

スキデルスキー氏は、共通の野心的な経済的利益を有するロシアと中国は、地政学的分野でも、接点を見出さずにはいられなかった、との見方を示している。論文では、ロシアと中国が、米国とその同盟国に「取り囲まれている」ように感じている、と指摘しされている。中国は、「様々な国によって選ばれた発展方式」を尊重する必要があるとの声明を表している。ロシアでは、反米レトリックと反米感情が急激に高まった。スキデルスキー氏は、そこに向かわせたのは、ウクライナ危機だ、と指摘している。ロシアにとって、ウクライナ危機は、欧米のあからさまな介入の明確な例となっている。このようにして、ロシアと中国の貿易額は高まり、政治や安全保障問題における両国の相互連携は、外部からの介入を前にした脆弱性を低減させている。スキデルスキー氏は、そしてこれは、近いうちにも、世界政府の新たな中心地が出現するというシグナルだ、との見方を示している。では、欧米はどうなるのか?スキデルスキー氏は今のところ、中国とロシアが共同で、ユーラシア地域の開発から欧米を排除するために取り組んでいる、との見方しか表していない。

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