ブリュッセル入りしたウクライナの記者団の頭には、すでに見出しの文句は用意されていたらしい。記者たちはNATO-ウクライナ協議の結果、ウクライナのNATO入りの期日が明らかにされると期待していた。ところがストルテンベルグ事務総長の声明は記者団を喜ばせるものではなかった。事務総長は、ウクライナはNATO入りする前に非常に長く、実際的であまりに難しい改革という道のりを経ねばならないと語ったからだ。
「ウクライナは加盟申請を行なうためには、今、集中的な改革を行なわねばならない。申請は他の国と同じ基盤にたって検討されることになる。」
「NATOはウクライナの全ての問題を解決できるわけではない。これはウクライナ国民自らが解決せねばならないからだ。ウクライナの前には非常に困難な課題が立ちはだかっているのを理解している。それは東部に軍事紛争を抱えながらの長期的な改革である。だが、これはまさに今、ウクライナが行わねばならないことだ。汚職対策も最重要な要素であり続けている。」
これらの声明からNATO内にはウクライナを特別扱いする意向はないことは伺えるものの、これが理由でNATOは自身の関心のためにウクライナ領を最大限積極的に活用しないと言うことにはならない。またウクライナ側も無条件でこれを受け入れる覚悟なのだ。