同氏は次のように述べた。
世界の通貨システムには欠陥があり、それが多くの国の経済成長にブレーキをかけ、諸国の政治的不平等の重大な要因になっている。いま、世界通貨の発行国は、不当な特恵を受けており、取引所における通貨の購買力への評価の誤差は300%に上っている。これが市場システムから効率性を奪っている。一定不変の購買価格をもつ超国家通貨を創ることがアクチュアルな課題として突きつけられている所以だ。
現在、多くの国が、国際通貨市場におけるドルの独占的立場を遺憾に思っている。そして一部の国、また国家連合が、米ドルの取引所における評価からは独立した相互決済メカニズムを模索している。
上海協力機構ならびにBRICSの全加盟国が、米ドルの偏在と、それによる否定的影響に憂慮を感じており、それからいかに脱却するか、という可能性を考えている。しかし、長らく不動のものとして信じられていた馴染みのシステムからすぐに離れることは難しい。何事につけ、根本的に新しいものに移行するには、痛みが伴う。しかし、もし上海協力機構とBRICSが米ドルから離脱したなら、通貨の競争が起こるだろう。そして、競争があることは、経済にとっては常にいいことなのである。まずは通貨は仮想通貨として流通するだろう。そのことにより、その通貨「レアリス」を使用する国は、一方では自国の通貨システムを無傷のまま維持することが出来、他方では超国家通貨を使用する事が出来るようになる。
以上、アンドレイ・ブィストロフ氏。