衛星測位システムをめぐるロ中共同プロジェクトについて、ラジオ・スプートニク記者は「グロナス」社のエフゲニイ・ベリャンコ副社長に話を聞いた-
「『北斗』との共同の利益として、まず挙げられるのは、ロシア及び中国領でのモニタリングゾーンの拡大です。我々は、戦略的に協力してゆくことで合意を得ました。地上ステーションの数について、話し合っています。その数はかなり多くなるはずで、同時に、お互い出来るだけ遠くに置かれる事になるでしょう。その際『グロナス』と『北斗』の地上ステーションの技術的性格及びインフラに対しては、極めて厳しい要求が出されています。」
「グロナス」は米国のGPSと同様に、すでに自分のユーザーに、世界的規模で衛星ナビゲーション・サービスを提供している。一方「北斗」は、今の所そうした課題を自分達の前に立てたばかりだ。しかし現在「北斗」は、まず第一にタイやパキスタンなど一連の南アジア及び東南アジア諸国のユーザーにサービスを提供するため、自分の衛星網を積極的に発展させている。「北斗」がロシア領内にある対象物の位置を高精度に特定できる地上ステーションにつながれば、この中国企業の権威が上がり、潜在的顧客層も広がる事は明白だろう。
「グロナス」と「北斗」の共同プロジェクトは、ユーラシア空間でのサービス、具体的には中国-カザフスタン-ロシアそして西欧をつなぐ自動車輸送路(現代のシルクロード)を使う個人ドライバー及び運輸会社にまとまったサービスの提供を提案するものだ。
そうしたサービスとしては、走行ルートや車の整備、医療その他の情報提供が挙げられる。主としてプロジェクトは、現代のシルクロード交通の安全性向上をまず念頭に置いている。なお、このプロジェクトは、アジアや欧州のパートナー諸国と共同で中国が作成しているものだ。