世銀によれば、2016年という年がターニングポイントとなり、投資がロシアに還ってくるようになる。続く2017年には投資が増大に転じる。ルーブルのレートも上昇する見込みだという。ただし、戦略動向センター財政課長アレクサンドル・ヴォロビヨフ氏によれば、ルーブル高が進む理由は、ロシアの経済政策というよりも、米国の財政政策にある。ヴォロビヨフ氏は次のように語っている。
「ルーブルのレートが上昇し、1ルーブル=45-50ドルになるだろう。そうなる最大の理由は、米国が再びドルの過剰発行を行っていること。石油価格を高く維持したい米国には、ドルを刷ることが必要なのだ。シェール部門を救済するためにも、ウォールストリートの活動を続けるためにも、そのことが必要なのだ」
関税同盟やユーラシア経済同盟といった影響力ある経済機構も、ルーブルに大きな展望を開く。そのことも忘れてはならない。ルーブルの未来は明るい。ルーブルは、あと僅か5-10年のうちに、世界で五指に入る主要通貨となる、と言っても過言ではない。アレクサンドル・ヴォロビヨフ氏はそう語る。
同時に、多くの専門家が、未来は単独の通貨でなく、新しい通貨プールの向こうにこそある、と語っている。そうした通過プールこそが、金融地図を色分けするのだ。そうしたプロセスの中で、ルーブルはどうなっていくのか。やはり、もしもロシア経済の各種指標が増大すれば、ルーブルの意義も重大なものになるだろう。専門家らによれば、ロシアは、経済の多角化と、その豊富な人的資源、天然資源により、世界経済における地位を高める。そうなればもちろん、ルーブルの価値も高まるだろう。