ツィプラス首相は欧州議会での演説で「我々にはトンネルの果てに光が見えるような合意が必要」と語り、国民投票では61%のギリシャ国民が緊縮財政を続けよという債権者の最後通牒的要求に「ノー」と答えており、国民投票は「過去の過ちを繰り返さず、危機へと導いた緊縮経済政策を続けず、解決を見つけよという命令を下した」との見方を示した。
「国民投票は銀行が閉鎖され、マスコミの大半が国民を恐怖に陥れている状況で行なわれた…。これは、ヨーロッパに連帯と同権を回帰させた国民投票だ。」
「私は過去5ヶ月に生じたことに対し、全面的に責任を負う。だが過去5年、危機脱却へと導かなかったプログラムの実現化でギリシャ経済が陥った袋小路に対しては責任は負わない。ギリシャはここ数年間緊縮経済政策の実現のための実験室となった。」
ツィプラス首相は多くの欧州諸国は緊縮財政プログラムを実施しているものの、ギリシャほど多くの困難と長い期間を要している国はないと指摘し、「この5年で失業率は高まり、貧困が拡大し、マージナライゼーション(社会的排他)が債務と同様拡大した。債務は救済プログラムの当初はGDPの120%だったのが、今や180%だ。そして今日ギリシャ国民の大部分は、我々の評価に関係なく、これは現実であり、我々は受け入れねばならないのだが、ギリシャ国民の大半はこの袋小路からの解放を要求する以外、選択肢を持っていない」と語った。ツィプラス首相は、国民の期待は最も民主的方法である国民投票によって表されたと語った。