ロシア人専門家、安保法制で日本は人的犠牲を強いられる

© AP Photo / Koji Sasaharaロシア人専門家、安保法制で日本は人的犠牲を強いられる
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日本社会の中には、なぜ日本は安保法制を変えねばならないのかについて、安倍政権が明確な説明を行えないのではないか、あるいは行いたくないのではないかという不満が高まっている。

日本政府のこうした不可解な言動は外国人専門家らにも驚きを呼んでいる。そうしたうちの一人、有名な東洋学研究家のアレクサンドル・パノフ元駐日ロシア大使に見解をたずねた。

「確かに、安保法制についての説明は非常にあいまいで、しばしば矛盾している。これは特にここ2ヶ月の動きで目立っており、当初出されていた説明のいくつかは、後に他の説明で置き換えられた。集団防衛とは何を示すかということがはっきりしない。もちろんこれが世論に不安を呼んでいる。なぜなら事実上、いかなる状況も集団防衛の決定を採るための理由付けがれきるからだ。

それでも安倍政権はこの法案を通す可能性を有している。なぜなら連立与党は国会で過半数をしめており、日本社会もどうやらこの法案に強硬な反対姿勢をとらなくなったからだ。」

安保法制採択の見通しに一層恐怖感をつのらせているのは国内最多の米軍基地が集中する沖縄県の市民だ。稲嶺進名護市長は先日時事通信からのインタビューに対し、安保法制が通れば、沖縄は再び犠牲を強いられる立場になりうると懸念を表した。

「憲法9条に違反し、平和主義を根底から覆すものだ。成立すれば他国の戦争に巻き込まれ、米軍基地が集中する沖縄が標的にされる可能性が大だ。またしても沖縄は捨て石にされる。」 

モスクワ国際関係大学、国際調査研究所のアンドレイ・イヴァノフ上級専門家は、もし安保法制が採択となった場合、戦争に巻き込まれる危険性があるのではないかという恐怖感は日本に眠っている反戦運動を揺り起こす可能性があると指摘している。

「中国が領有権を主張している尖閣諸島に有事の際、日本人の愛国的感情が中国と軍事紛争を構えることへの恐怖感に優越する事態を許してしまいかねない。しかも中国との軍事紛争勃発の可能性はほとんど信じられないような取るに足らないことがきっかけで起こりかねないのだから、なおさらだ。

ところが新たな法律によって日本の自衛隊を世界のあちこちで、しかも日本の領土を守る目的ではなく、使う可能性が開けてしまう。いい場合でもこれは日本の国益を守るためだが、その日本の国益というのも連合国の米国の解釈するところのものだ。日本は米国の命令に従うことで日本はたとえば、自国にはまったく利益をもたらさない対露制裁に加わらざるをえなくなった。ここで日本が被った損害は経済的なものだったが、こんどは米国への連合国としての課せを軍事面で果たさなければならないとなると、日本に求められる犠牲は物質的なものでは済まず、人的犠牲も払わねばならなくなる。果たしてこの事態に日本社会は甘んじるのだろうか?」

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