「ロスアトム」(ロシア国営原子力企業)のプロジェクト企画を行なう「アトムプロエクト」社(サンクト・ペテルブルグに本社)によれば、必要な作業文書はすでに整えられている。
福島第1原発は、百万立方メートル弱もの大量の液化放射性廃棄物が一箇所に集中するという世界でも初めての稀有な状況下にある。汚水中のトリチウムの濃度は世界保健機関(WHO)の決めた許容レベルの限度を100倍も上回る。現在、福島原発の有する技術では廃棄物中のセシウムやストロンチウムの放射性同位体は除去できるものの、トリチウムは取り除くことが出来ない。
2014年秋、日本政府はロシアの国家コーポレーションの「ロスアトム」、「ロスRAO」および「フロピン記念ラジウム研究所」の三箇所を福島第1原発の汚水中のトリチウム除去技術をテストするデモプロジェクト実現のパートナーとして選択。
発表によると、デモ用プラントは2016年初頭に設置予定。現在、日本側とは全面的な設置企画作業の開始について交渉が行なわれている。