インド海軍が所有するロシア製のディーゼル電気エンジン型潜水艦の刷新契約は数百億ルピーに及ぶ。このため計画されている露印合弁企業は世界の海洋軍事市場ですぐにも巨大なプレーヤーになる可能性がある。
ロシアの国立船舶修理センター「ズヴョードチカ」の代表らはインドの一連の造船所を視察し、今月中にもインド側と理解に関するメモランダムを結ぶ準備を進めている。これについて「ズヴョードチカ」のエヴゲーニー・シュスチコフ副社長は「エコノミック・タイムズ」紙からのインタビューに答えたなかで、次のように語っている。
「現在我々はインドの造船工場のひとつと交渉を行っている。もしこれが成功すれば、この企業はこれから行われるKILO級潜水艦の刷新作業で我々のパートナーとなる。しかも刷新作業の対象となるKILO級潜水艦はインド艦隊だけでなく、他の諸国にも存在している。」
ロシアはインドと合弁企業を設立し、多くの国からの注文を受けることに関心を抱いている。ロシア製のKILO級潜水艦はインド海軍のほか、イラン、ナイジェリアにも軍備されており、先日ベトナムもこの級の刷新された潜水艦を6隻購入した。「ルビン」設計局のアンドレイ・バラノフ副局長はこうした潜水艦は遅かれはやかれ計画的修理と刷新が必要になるとして、次のように語っている。
「インドはKILO級潜水艦の刷新を行う世界でも2番目に大きな中心地となる可能性がある。多くの国にとっては他の場所で修理を行うようりもインドにおくったほうがずっと楽になるだろう。インドにとってはこうしたクラスの潜水艦を修理、刷新する上で技能を向上させることができ、好都合になるはずだ。」
KILO級ディーゼル電気型突撃用潜水艦は世界でも最も静かな潜水艦に数えられる。KILO級潜水艦は海軍基地および沿岸設備における対艦対潜防衛の確保、海路の保護、巡視サービス、偵察を行うために開発された。2015年5月、ヴィシャーカパトナム市の造船所「ヒンドゥスタン・シップヤード・リミテッド」ではロシアの「ズヴョードチカ」からの専門家を招き、KILO級潜水艦(INS Sindhukirti)の刷新作業が終了した。潜水艦はインド製の水中音声装置Ushus、射程距離200キロのミサイルシステムClub-S(輸出用の名称は「カリブルS」)を新たに装備した。