ロバーツ氏は「(新軍事戦略は)テロリストから、国際法に挑戦を投げかける国の活動家へと注意を置き換える手品」と書いている。
この言葉が何を指すのか、理解することは重要だ。国際法に挑戦を投げかける政府とは、米国の政策に依存しない政策を採り続ける主権国家ということになる。こうした国家が脅威となるのは、それらが米国を攻撃しようとしているからではない。米国防総省はロシアも中国も攻撃をしようとはしていないことを認めている。これらの国家が脅威となるのは、まさにそれらが独立しているからだ。表現を変えると、国際法は米国に依拠することであるtことになる。
論文の最後にロバーツ氏は、米国のとらえるロシア観を紀元前3世紀から2世紀のローマの政治家マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウスの古代カルタゴ観と比較している。弁舌家として知られたケンソリウスには、ローマ議会での演説を締めくくる際に、有名なセリフを残している。「カルタゴは滅ぼされねばならない。」
このほかロバーツ氏は、米国は、自分以外の国を全部、自分の従属国にしてしまわないうちは、安全だと感じることができないと強調し、そういった従属国にすでになってしまった国として欧州の全国家、カナダ、豪州、ウクライナ、日本を挙げている。