マリアニ氏は、「フランスと西側諸国の情報の一部は、一面的だ。私たちの目的は、実際の状況を見ることだ。なぜなら、この1年超の間の同地域に関する情報が完全に欠けているからだ。カモフラージュされたスローガンも、いかなる声明も、歴史と争うのは不可能だ。歴史の現実は、一時的な政治的立場よりも強い。歴史、文化、人口の観点から見た場合、クリミアは、ロシアだ。それは、クリミアが20年間にわたってウクライナであったとしてもだ。私は、もしクリミアがロシアに戻らなかったならば、いまクリミアでは、ドンバスと同じことが起こっていたのではないかと思っている。私は、クリミアがロシアへ戻ったことは、歴史的事実であり、歴史的現実であると考えている」と語った。
会談では、対ロシア制裁が議題の一つとなる。マリアニ氏は、「スプートニク」のインタビューで、次のように指摘した。
「制裁はできるだけ早急に解除されるべきだ。これは、ロシアの利益、クリミアの利益、ウクライナの利益のために地域の開発を再開するための最良の方法だ。ご存知のように、米国と欧州の数カ国による圧力は、フランスとロシア企業の関係活性化にブレーキをかけている。協力がどのように具体的に再開するか、展開を見守ろう。また政治的な立場を示すことも、私たちがクリミアを訪れる目的だ。複数の議員の立場は、フランス政府の立場と異なっている。繰り返すが、どのような内容の文を引用することも可能だが、歴史、伝統、文化は、あらゆる文よりも強く、結局のところ、クリミアはロシアであり、遅かれ早かれ、国際社会がこの事実を認識するということを、全ての人が理解するのは必然だ。政府は私たちに、今回の訪問がフランスの立場に反していることを明確に示した。私たちはそれを知っている。しかし、フランスでは、出発するのか、それとも残るのかを各議員が、自分の意思で決めることができるのだ」。
ロシア議会下院・国家会議CIS問題委員長で、フランス議会と交流する議員グループの調整役を務めるレオニード・スルツキイ下院議員は「フランスの議員達の、クリミアを含んだロシア訪問は、クリミア問題をめぐるロシアとEU対話の新しいページを開くだろう」と述べ、次のように続けた-
「一行は22日夕方、モスクワに到着し、翌23日、国家会議でナルィシキン議長と会談した後、クリミアに向かう。これは『クリミアの春』以来初めての、西欧の政治家及び議会の大型代表団によるクリミア訪問である。」
クリミア訪問の枠内で、一行は、セルゲイ・アクショーノフ首長(共和国大統領)及びウラジーミル・コンスタンチノフ共和国評議会議長などクリミア共和国指導部と会談する。