ロシアの著名な日本専門家で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、日本が原子力エネルギーの積極的な利用に戻るのは十分に説明がつくと指摘し、これによって、同分野におけるロシアの原子力学者たちとの協力が再開される可能性があるとの見方を示し、次のように語っている。
「日本では、段階的に原発を再稼働する計画が承認されている。日本は、電力の25パーセントを原発で生産しようとしている。日本には二重の問題があった。日本は、石炭とガスの輸入を大幅に増加することを余儀なくされ、これは支出の増加と経常収支の赤字を引き起こした。日本が経済の再生を目指している今、これは十分に深刻なデメリットだ。2つ目は、安全保障の問題だ。なぜなら日本は、危険な地震帯に位置しているからだ。しかし日本人は、自国の原発の安全性を高めることに成功したようだ。もちろん100パーセントの安全性を保証することは誰にもできない。しかし日本はこの4年の間に、全ての原発の検査を行った。稼働を目指しているのは全原発ではなく、複数の原発は、稼働には適さないと判断された」。
ラジオ「スプートニク」:日本社会は原発の再稼働にどのような反応を示すと思いますか?
パノフ氏: 日本社会には、原子力エネルギーに断固として反対している人々がいる。しかし私は、いずれにせよ、全国民的な抗議運動はないと思っている。恐らく、抗議運動に参加しているのは、原発の近くに住んでいる人たちだろう。
スプートニク:原発の再稼働は、原子力分野における露日の協力にどのような影響を与えるでしょうか?
パノフ氏:この協力は、日本が対ロシア制裁に加わったことで中断してしまった。しかし、原子力分野は、全体として非常に大きな協力の場だ。ロシアは燃料を供給することができるほか、原発の安全保障に関する豊富な経験も持っている。これらは全て日本が必要としているものかもしれない。この協力は制裁が発動されるまで順調に発展していた。そして、そこには未来がある。なぜなら制裁は永遠に続くものではないからだ。