各国のリーダーが、毎年移民法を厳格化し、罰金を引き上げ、違法な仲介業者の刑期を延長していることは、移民にとって大きな懸念材料となっている。しかし移民たちは、新天地を目指している。移民援助の削減も、移民たちを当惑させてはいない。「それがどうした?」とどこ吹く風といったところだ。数千ユーロが数百ユーになったとしても構わないのだ。なぜなら彼らは、違法な仕事をしたり、麻薬を売ったりして家族を養えばいいと考えているからだ。これらは大したことではないのだ。そこで欧州の役人たちは先を争うように、「移民をなんとかしなければならない!」と叫んでいる。
だが、どうしたらよいのだろうか?現在の状況で、問題をグローバルに解決するのは不可能だ。それは欧州諸国が、あらゆる問題を互いになすりつけあい、合意できないからではない。これは、「カルマ」なのだ。欧州諸国は、北大西洋条約機構(NATO)参加の下、リビアとシリアで騒動を起こし、両国でカオス、テロ、そして貧困を引き起こさせた。否否、欧州では、それが秩序、正義、人権だと考えられていた。自分が行ったことに対する責任は、自分でとらなければならない。そして今、大勢の人が、欧州の資金で、この正義と人権をEUで探している。これがカルマと言わずしてなんと言えばいいのだろうか?現時点で明らかなのはただ一つ。それは、全ての希望者を同化させて、新たな不法移民たちを保護するだけでなく、移民排出国の情勢を安定化させるためにも、ユーロ圏が膨大な支出に面せざるを得ないことになるということだ。しかし、これが役立つと信じていない人たちもいる。
欧州文化に移民たちを同化させるのか?、それとも移民たちの文化に欧州の人々を同化させるのか?近いうちにも旧世界の住民が、誰を同化するべきなのか分からなくなるときが訪れるかもしれない。