安倍首相は、次のように述べているー
「日米同盟の絆をさらに強化することによって、戦争を未然に防ぐ抑止力はより強化され、また、日本が国際社会とさらに連携し、地域や世界の平和のために協力することによって、より世界は平和になっていくだろう。」
「多分、安倍首相は、米国のオバマ大統領を大変尊敬し、大変信用しているのだろう。一方オバマ大統領は、米国のみが世界中で平和と自由、そして民主主義を守るのだと演説するのが大好きなのだろう。20世紀中盤、米国は確かに、まずソ連がナチス・ドイツを壊滅させるのを助け、続いてソ連の支援を受けて軍国主義日本を壊滅させ、実際世界の平和と自由、そして民主主義を守った。戦後は長らく、米国は、ソ連を出所とする、共産主義の脅威と戦った。その際、彼らは、2つの体制の平和共存や平和的競争を訴えるソ連の提案を無視した。そして1991年末、ソ連邦及び社会主義陣営の崩壊と共に、共産主義の脅威が消滅したが、米国の野望を押しとどめるものもなくなり、米国人は、世界中に自分達の価値観を積極的に植えつけ始めた。
残念ながら、米国人達は、それを必ずしも平和的手段のみで行ったわけではなかった。こじつけられた口実で、彼らは、ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタンで戦争を始め、リビアやウクライナを含む一連の国々では、カラー革命を起こすか、あるいはそれを支援した。こうした米国の『自由と民主主義の輸出』による罪なき一般市民の犠牲者は、何百万とは言えないまでも、すでに何十万にも達している。そもそも米国は、ほんの200年と少しの歴史の間に、数多くの戦争を起こしてきた。様々な時期に直接米国の侵略を受け犠牲となった国々として、メキシコ、キューバ、ニカラグアなどがまず挙げられる。
これまでのところ『自由と平和と民主主義』を米国人が守ろうとする時、それには独立国家への侵略や一般人の大量殺戮を伴ってきた。それなのに、安倍首相はなぜ、米国流に平和や自由を守る事が、より平和的だなどと期待感を表明するのだろうか? 安倍氏は、それほどに素朴な人間なのだろうか? そうした人物が、政治家としての権利をお持ちになり、軍事面を含めて、日本のような大国のリーダーで、果たしてあるべきなのだろうか? 日本の皆さんに、今まだ安保関連法案の討議が終わっていないうちに、この問いに是非答えて頂きたいものだ。後では、残念ながら、もう遅すぎるからである。」