米国のモナコ大統領補佐官(国家安全保障・テロ対策担当)は28日、米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデン氏について、祖国へ戻り、犯罪行為の責任を取るべきだとの声明を表した。
声明の中では、「彼(スノーデン氏)は米国へ戻り、独裁政権の国に隠れず、法廷に出頭するべきだ」と述べられている。またモナコ補佐官は、スノーデン氏に対し、「米国の安全保障を危険にさらした自分の行動の結果から逃げるな」と呼びかけた。
この出来事には2つの興味深い点がある。1つ目は、請願書を議論してもらうためには、10万人の署名を集めればよい。スノーデン氏の恩赦を求める請願には約17万人が署名したが、市民の請願は却下された。そして2つ目に、本質的に市民権を侵害したのはNSAなのに、世界に真実を語ったスノーデン氏が悪者となり、パラドックスに陥っているのだ。
2013年、スノーデン氏は米国の情報機関が一般市民やドイツ、スペイン、フランスなどの欧州諸国の政府に対してスパイ活動を行っていたとする文書を暴露し、スキャンダルが勃発した。また米国がドイツのメルケル首相の電話を盗聴していたことも明らかとなった。