カルポフ氏は、決選投票の一角がカザフスタンの南の首都であることは歴史的意義のあることだ、と述べている。
「これはカザフおよび中央アジア全体にとって歴史的な出来事だ。夏季・冬季を問わず、この地域が五輪開催地に選ばれること、また選ばれそうになることは、絶えてなかった。アルマタ招致を推進したのは、カザフの非常に強力なイニシアチブであり、そしてもちろんのこと、カザフスタンの偉大なスポーツ伝統であると、私なら言いたいところだ。世界的に有名な高山スキー場「メデオ」しかり。聞いたところでは、そこでは風が常に追い風であり、どちらの方向に走っても、高い成果が出るのだという。五輪の選手および観客の収容に関しては、アルマタは最高レベルの受け入れが出来る。というのも、アルマタは完全に現代的な都市であり、大きな可能性があるから。カザフの魅力はまた、五輪施設がコンパクトにまとまっているという点にもある」
北京および張家口の共同開催については何をかいわんやである。北京には氷上競技のために必要なものは全てあるし、張家口はスキー種目招致に用意があるという。しかし、両市は互いに200kmも離れている。五輪施設がこのように散在している点は北京にとってはマイナスである。そのかわり、北京には2008年夏季五輪という経験がある。この利点があらゆる欠点をカバーしてしまうかもしれない。カルポフ氏はそう語る。
「中国には冬季五輪よりさらに大規模な競技大会を開催した経験がある。夏季五輪の方が選手、コーチ、記者、観客の数が多いことは良く知られた事実だ。つまり、冬季五輪は、夏季五輪ほど負荷がかからないのであって、その夏季五輪を中国は、一般的な評価では、物の見事に開催したのである。五輪の最後のほうで、私自身も北京入りした。全てが素晴らしく整っていたと確言できる。閉会式のロジスティクスは感動ものだった。出口の混雑が全くなかったのだ。スタジアムを出てそれこそ10分後には人混みから出ていたのである。ちょっと迷いはした。渡るべき橋を通り過ぎてしまいはした。しかし、すぐに道を見つけた。つまり、10万もの観客がいたスタジアムから出てすぐ近くで、落ち着いて身動きをとることが出来たのである。そしてもちろん、閉会式そのものも、非常に見ごたえがあり、ファンタジーと匠の技で、よく練られたものであった。個人的に、北京五輪は最も快い印象を持った。全てがそれこそ抜群に整えられていた」
冬季五輪招致国がこれほど少ないことは久しぶりだ。しかし、ファイナルまで漕ぎ着けた2都市とも、高い水準で五輪を受け入れる能力をもっている。よって、アルマタにも北京にも、成功を祈る。そう述べてカルポフ氏は、インタビューの結語とした。
というわけで、第24回冬季五輪の開催地は金曜にも発表される。投票手続きはそうとうシンプルだ。IOC委員(約100人)が電子的方法で2候補地のうちのひとつに投票する。それで半数以上を得票した都市が2022年、冬季に行われる中で最も権威あるスポーツ大会のホスト国となる。北京が選ばれれば、北京は世界五輪運動の歴史上はじめて、夏季と冬季を両方受け入れた都市となる。また、北京が選ばれれば、アジア大陸は、五輪が3大会連続で開催される地となる。すなわち、2018年のピョンチャン(韓国)冬季五輪、2020年の東京夏季五輪に北京が続く形である。