同氏は以下のように述べた。
米国の対外政策の根幹にはウォルフォウィッツ・ドクトリンがある。ソ連に匹敵する脅威をもたらす新しい敵の台頭を予防することを目標とするものだ。
ドクトリンは、ワシントンから独立した外交をとる、十分に強力な国であれば、いかなる国も脅威とみなす。脅威は軍事的なものに限らない。ワシントンに同意しない可能性がありさえすればいいのである。いま、そうした国はふたつある。ロシアと中国だ。米国のネオコンは自らによる中東における十年がかりの戦争に吸収されている間に、プーチン大統領はエリツィン時代の敗北からロシアを復活させ、中国はワシントンが予想していたより遥かに速く成長した。
ワシントンは毎年1兆ドルという軍事予算を正当化するために、いつだって外敵を必要としていた。だから、ロシアは対米関係改善のためにどうするべきかと聞かれた時、私は、それは無意味な質問だ、と答えるのだ。ワシントンにはその気がない。だって米国としては、ロシアとの緊張が必要不可欠なのだ。この緊張が米国に、ロシアからEUに対する制裁を存置させる理由を、NATOがロシアとの国境を強化する理由を与え、莫大な軍事費の必要性を国民に訴える根拠となっているのだ。
ロバーツ氏は以上のように語った。