IOCの決定にロシア人専門家はどう反応しているか、以下にご紹介する。
「北京という選択は、アルマタという選択より正しいと思う。なにも、カザフスタンはハイレベルで冬季オリンピックを開催できないから、というのではない。たぶん、世界のスポーツ業界の記憶に今なお、2008年の夏季オリンピックで中国が見せたハイレベルな組織振りが鮮明に残っているからだろう。私もこのオリンピックで働いた。覚えている限り、最高のオリンピックだった。最高というのは、夏季で最高という意味だ。ソチオリンピックでも私どもは輝かしい開催振りを示したから。北京冬季オリンピックは中国とそのスポーツにおける達成、さらには、我々皆がその目撃者になったところの夏季オリンピックの最高レベルの実施に対する敬意の表れだと思う。それからここには歴史的視点ということもあるのではないかと思う。何しろオリンピック史上初めて、夏季と冬季がひとつの街で行われるのだから。
もちろん多くの疑問がある。北京が冬季オリンピックの首都たるステータスにどれだけふさわしいのか。確信をもって言えるが、北京は地理的にも気候的にもソチよりは遥かにそのステータスにふさわしい。しかし我々はソチにおいて、冬季オリンピックをいかにして行うかという模範を示したのだから、北京では全てが然るべく行われると思う。それから競技施設が互いに離れている点。しかし、他方では、ソルトレークシティ冬季オリンピックを思い出してみよう、あのときはオリンピック施設が互いに何百kmも離れていたではないか」
「中国が2022年の冬季オリンピックを目覚ましい形で催行することには疑いを抱いていない。中国には最高レベルの競技大会を開催する経験が相当に多い。たしかにそのスタートは夏季競技大会だった。しかし最近はスキーなども含めて冬の競技が旺盛に発展している。中国には非常に現代的なスポーツ施設が登場した。たとえば北京では既に2年、人工ゲレンデでスキー大会が行われている。ひとつだけ難点があるとすれば、それは張家口の天然雪の有無だ。それ以外は、つまりロジスティクスや観客・プレスの問題は、中国は最高レベルで処理できる。それは2008年夏季オリンピックでも、2011年ユニバーシアードでも示されたことだ。」