いま米国は資金洗浄および対ロ制裁を遵守しなかった容疑でドイツ銀行を提訴している。米国の目標は2つある。つまり、対ロ制裁の実行を強く要求することと、多額の課徴金をかけて欧州の金融部門を弱らせることだ。Deutsche Wirtschafts Nachrichtenが報じた。
米国によれば、決済は事実としてドルで行われており、「世界通貨」の主人の特権として欧州の金融機関に介入する権利が米国にはある、という。
政治的な動機による捜査に対する不満が欧州の金融機関では強くなっている。
ドイツ銀行は今年からEUと米国の制裁リスト入りした人物らと取引を行っていた。この容疑は米国の対ロ戦略に見事に合致するものだ。
Deutsche Wirtschafts Nachrichtenによれば、同行はルーブルをドルやポンドに替え、ロシア当局をバイパスして資金を海外に流出させていた。これは米国でなくロシアに損害を与えるものであり、捜査を主張したのはほかならぬロシア中央銀行である。
全面的な協力関係にも関わらず、EU内では不満が高まっている。米国は外交目標達成と課徴金で欧州を弱らせるために欧州の金融機関を狙い撃ちしている、との声が頻繁に聞かれるようになっている。