2002年にメキシコのモンテレイで第1回国際金融発展会議が開かれて13年、多くの変化があった。当時はG7の独壇場だったが、今や購買力平価で世界最大の経済国は中国であり、その貯蓄は米国より50%も多い。
2002年、西側の金融機関はリスク管理と資本分散化については、まるで魔法使いのように思われていた。今や彼らは市場操作その他詐欺まがいの慣行について魔法使いであるに過ぎないことが明らかになっている。
米国は国際債務・投資の正当な法的調整をブロックしている。ウクライナ、ギリシャ、アルゼンチンは、現行システムの破綻の好例である。
しばらく前、連邦準備制度理事会のバーナンキ議長(当時)は、世界は貯蓄過剰である、と述べた。一方では高度な社会的見返りをともなう投資案件は資本不足にあえいでいた。今も似たような状況だ。貯蓄と投資の選択における効果的な仲介を任務とする国際市場は、資本を正しく分配せず、リスクを高めている。
世界の余剰貯蓄の一部を特に投資が欠乏している地域に分配するため、中国がアジアインフラ投資銀を提唱すると、米国はそれを破綻させようとした。ホワイトハウスは深刻な、かつきわめて屈辱的な敗北を喫した。しかし米国をはじめとする先進諸国の頑迷さは、米国が歴史の傍流となったことを示している。
ノーベル経済学賞受賞者、ジョゼフ・スティーグリッツ氏は以上のように述べた。