ナルィシキン議長は10日付けの「ロシア新聞」に掲載された自身の論文の中で、米国の対外債務は膨大だと言及し、「他国の荒廃は、米国にとって最も一般的な方法である」と指摘している。一方でナルィシキン議長は、米国が世界の「紙幣印刷機」を手にしていることや、北大西洋条約機構(NATO)を完全にコントロールしていること、また欧州のリーダーたちの通話を盗聴していることが、債務返済で米国の役に立つことはすでにない、との見方を示している。
ナルィシキン議長は、「米国はドルを唯一の基軸通貨として維持するだけでなく、世界の別の大国や地域の経済的豊かさに近づかなければならない。まさにそのために米国は今、制裁対象のロシアの団体と個人の新たなリストを発表し、自分の銀行に(それらの助けを借りて欧州の銀行に)ロシアの団体と取引をしないことと、そのためのあらゆる理由をみつけるよう指示した」と指摘している。
米国は7月7日、オホーツク海にある「ガスプロム」のユジノ・キリンスク鉱床への技術設備の供給を禁止し、「ガスプロム」に対する制裁を強化した。「ガスプロム」は2018年にユジノ・キリンスク鉱床で生産を開始する計画だが、これにより支障が出る恐れがある。