日本はメドヴェージェフ首相のイトゥルプ訪問を理由にプーチン大統領の訪日をキャンセルするのか?

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日本政府は、もしロシアのメドヴェージェフ首相がイトゥルプ島を訪問した場合には、岸田外相の訪露日程を見直す可能性があるという。NHKが外交筋の情報として伝えた。場合によっては日本は、ロシアのプーチン大統領の訪日を諦める用意があるということだ。

プーチン大統領の訪日がキャンセルされる見込みは高いのだろうか。著名な東洋学者、モスクワ国立国際関係大学のドミートリイ・ストレリツォフ教授がスプートニクの取材に応じた。

「日本の対ロ外交方針は今、非常に不明確である。安倍首相がプーチン大統領の年内訪日を公約したと思えば、他方ではロシアをめぐる地政学状況、米国の圧力、ウクライナ情勢、マレーシア航空のボーイング機をめぐる国際法廷といった一連のネガティブな傾向性があり、それらがロシアを日本から遠ざけ、関係に否定的に反映している。それから、日本は平和条約と南クリルをプーチン大統領訪日のメインテーマにしようとしている。安倍首相はこの問題を解決し、ロシアとの領土問題を解決した首相として歴史に名を残そうとしている。安倍氏の政治的未来がそれにかかっているのである」

スプートニク:プーチン大統領訪日で領土問題が解決できると日本が考える根拠はどこにあるのか?

「どこにもない。もしかしたら解決ということでなくて、何らかの進展を見るという程度のことかもしれない。双方向的な義務を負うとか。たとえばエリツィン時代、何年までに問題を解決する、と取り決めた。つまり、何かしら、日本国民の目に重大と映るような、何らかの中間的決定だ」

スプートニク:そういえば先日岸田外相は、日本は何らかの相互に受け入れ可能な解決を達成することに向けて努力する用意がある、と述べた。しかし日本は、ロシアにとって受け入れ可能な解決というのがどのようなものであるか、すばらしくよく覚えている筈だ。それは平和条約締結と、そののち行われるシコタン・ハボマイの譲渡ということだ。このような妥協を行う用意がまさか日本にあるのか?

「もしあなたは私の意見を聞いているのだとしたら、相互に受け入れ可能な解決などというものはあり得ない、あり得るのはただ、交渉の続行といことのみである、というのが私の考えだ。当たり前だ。交渉プロセスそのものが、両者の利益にかなうのだ。何らかの相互に受け入れ可能な解決なるものを策定することで進展を見る可能性はないと思う。交渉を凍結し、解決を次世代に任せるほうが生産的だと考える。なぜなら領土紛争について交渉を続けることは、大いなるマイナスだからだ。国民も専門家集団も、ある時、「それで結局何が進んだんだ?」と問い出す。交渉は永遠に続けるわけにはいかないのだ。もし成果が出ないなら、結果的に、両国関係にとって深刻な事態が訪れる。立場が強硬になり、緊張が高まる。そうしたことはこれまでにも度々あった。だから私は、問題を凍結したほうが生産的だというのだ。そして、間をおいて、再び解決に取り掛かったほうがよい。その中断期間は長い方がよい。しかし、現実には、交渉を継続する方向で決定がとられた。問題は日本側が、交渉が続き、プーチン大統領訪日準備が続いてさえいれば、ロシアが交渉を複雑にするような行動をとることは無い、と決め込んでいることだ。たとえば、政治家が係争諸島を訪れ、自国の主権の強化を主張するようなことを。メドヴェージェフ首相の南クリル訪問を日本側はこのように見ている。私の見方では、もしメドヴェージェフ首相がクナシルとイトゥルプを訪れても、それは別に、日本にとって非友好的な措置ということにはならないと思う。なぜならこの島々はロシアが第二次世界大戦の結果自らの領土とした南クリル諸島に含まれるのだから。しかし日本側はこれを別様にとらえている」

スプートニク:結局あなたは、メドヴェージェフ首相が南クリルを訪問した場合、日本が岸田外相の訪露をとりやめ、従ってプーチン大統領の訪日を取りやめることはあり得ると考えるのか。

「日本側もそれは決めかねている、という気がする。日本ではこの問題をめぐって闘争が演じられている。様々な視点がある。繰り返すが、これら訪問が実現する見通しは暗い。もしかしたら日本は訪問を行いたくない理由があって、そのための口実を探しているのかもしれない。しかし私の見方では、日本に訪問を実現する政治的意思さえあれば、メドヴェージェフ首相のクリル訪問をはじめとするさまざまな口実には、さしたる意味はないと思う。一言で言えば、ボールは日本側にあるのだ」

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