Moody'sによれば、G20に数えられる主要各国は今後5年、2008年の水準に回復することはない。経済先進19カ国とEUの総生産は2015年から19年まで平均で年率3%増大する。これら諸国の1997年から2007年の間の経済成長率を0.5%下回る数字だ。
Moody's報告書によれば、世界経済成長の抑制要因は、労働生産性成長の鈍化が長期化していること、中国経済の低落、好ましくない人口動態傾向、貿易黒字の縮小等である。Moody'sは米国の経済成長率予測を引き下げた。今年後半の成長速度は当初予測よりも緩やかであるという。
米国経済の回復と、それより規模は少ないものの、ユーロ圏と日本の回復は、中国の成長鈍化、ラテンアメリカ諸国の成長鈍化ないし後退によって、またロシアの急成長、というよりはむしろ早期の安定によって補填される。ギリシャがユーロ圏から脱退するリスクも世界経済に悪影響を出している、とMoody's。